Tokyo University of Technology School of Bioscience and Biotechnology Matsui Lab

研究内容

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自然界に存在する微生物は、細菌を例にとっても1030個存在するといわれており(*)、我々は、微生物のもつ多様な機能を利用し、生活や産業に応用してきました。

微生物の有用な酵素や代謝産物を産業に応用するためには、その機能をうまく引き出すために優秀な微生物、適切な条件、装置が整ったプロセスを構築する必要があり、これをバイオプロセスと呼んでいます。私たちの研究室では、バイオプロセスを構成する1)機能微生物の探索、2)分離微生物の機能解析、3)機能微生物を利用したプロセス最適化について研究を行います。

* http:// www.aist.go.jp/science_town/environment/index.html

研究概要 (Research)

私たちの研究室では、微生物、環境、産業利用をキーワードに以下のような研究に取り組んでいます。

環境関連物質の微生物分解 (Biodegradation)

我々は生活を豊かにするために石油化学産業により、様々な物質を生み出してきましたが、これらはもともと自然界にはなかったもので、生物や生態系に影響を及ぼすものが少なくありません。このような化合物は「生体異物(Xenobiotics ゼノバイオティクス)」と呼ばれていますが、生体に対する影響と共に環境中へ放出された場合のこれら物質の挙動についても知っておく必要があります。環境中の生物的物質分解の主体は(もちろん!)微生物であり、環境中に存在する微生物のゼノバイオティクス等の化合物に対する分解メカニズムを研究することで、汚染土壌浄化(バイオレメディエーション)等への貢献が期待できます。

生物資源ライブラリーの構築と利用(Construction of biores. library & industrial application)

産業利用のための生物資源として一般に考えられるものは、植物、動物、昆虫と微生物が挙げられます。松井研では、微生物資源の利用を目的に土壌、海水等の環境試料から微生物を分離し、沖縄離島の微生物資源を中心とする沖縄微生物ライブラリーを構築し、その解析を進めてきました。微生物は植物、動物、昆虫などに共生しているものがあり、これら共生微生物の利用が検討されています。また、植物、動物、昆虫そのものの抽出物、遺伝子を直接利用することが考えられます。

バイオ脱硫菌の新機能探索 (Biodesulfurization)

石油に含まれる有機硫黄化合物(ジベンゾチオフェン、ベンゾチオフェンおよびこれらのアルキル化誘導体、以下OSC)は燃焼により発生する硫黄酸化物が酸性雨の原因となるため、石油系燃料中の硫黄含量が規制されています。バイオ脱硫は、微生物機能によりOSCの硫黄原子のみを除去する石油精製プロセスモデルであり、学術的にも特殊な微生物分解代謝経路といえます。当研究室では、バイオ脱硫研究における経験をもとにバイオ脱硫菌コレクションによる環境関連物質の微生物分解の可能性を検討しています。

微生物の高密度培養 (High Cell Density Cultivation)

有用な機能を有する生物細胞の実用化には、培養時における細胞の高濃度化(高密度培養)による生産性向上が必須の技術です。培地組成の最適化、二段階培養などにより各種組み換え大腸菌、石油分解細菌の高密度培養などを達成しています。より幅広い微生物および生産物の効率的生産を目指した検討を行っていきます。

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